太古の昔から珍重されていたシルク。2000年前のローマの上流婦人達の間では、美しいシルク市が人気の的であったと伝えられています。
では、シルクは一体どのように作り出されるのでしょう?答えは桑を主食にしている「ヤママユ蛾」の生み出すものなのです。
我々は、別種のシルクに注目しました。今までのシルクとは違う新しい風合いのシルクに魅了されたからです。
シルクでありながら膨らみ感があり、ソフトで軽く、きしまない。それが「エリシルク」です。
今回、衣料用向けに商業用開発に成功いたしました。
皆様に馴染みの深いシルクは、桑の葉を主食にした「カイコ蛾」が作り出すもので、桑蚕や家蚕とも呼ばれています。しかし、世界にはシルクを作る昆虫(絹糸昆虫)は10万種以上も存在しているのです。その内、桑蚕以外で人間が生地として利用しているものを「ワイルドシルク(野蚕)」と言います。
当社はワイルドシルクの一種である、「エリ蚕の繭」を生地にする取り込みを進めています。産地(ベトナム・バンメトート or バンコク)、紡績(バンコク)、製織(日本)の3拠点を連携させて服地を作っています。
そもそも、なぜエリ蚕を選んだのでしょうか?
もちろん、その風合いが抜群に優れているからではありますが、エリ蚕には従来の桑蚕にはない様々な特徴を備えています。
以下に解説したいと思います。
エリシルク繭
マルベリー繭に比べると大きめで表面が毛羽立っています。形は、マルベリー繭は俵・楕円ですが、エリ蚕は長細く先が少しとがっています。
エリシルク糸の断面図
このように細かい孔(あな)が空いているのが特徴です。
■エリシルクとナイロンフィラメントを織り交ぜ、軽く独特なタッチの仕上がりになります。
エリシルクとナイロンフィラメントを織り交ぜ、軽く独特なタッチの仕上がりです。
エリシルクと特殊加工糸を織り交ぜたリッチ感のあるファンシーツィードです。
エリシルクと上質ウールを密度込めて織り上げ、目面の繊細さと上品な艶感が表現されました。
上質ウールにエリシルクを織り込み、落ち着いた艶感と上品な光沢感を持ち合わせています。
エリシルクと上質ウールの交織により、気品漂う艶感と滑らかなタッチの仕上がりとなりました。
エリシルクと特殊染色【絣染め】をしたリネンを組み合わせ、ナイロンフィラメントとの切り替えで格子柄を表現しています。横糸には【レインボーラメ】のあしらいがアクセントとなっています。